
中小企業・小規模事業者が物価上昇を上回る賃上げを継続するための原資を確保するには、コストを価格に反映する「価格転嫁」が重要です。
しかしながら、「取引先に値上げを言いにくい」「どのくらい値上げすればよいか分からない」「価格交渉に必要な資料を作れない」と悩む経営者も少なくありません。
本事業では、経営の専門家(中小企業診断士)が中小企業・小規模事業者を訪問、幅広く支援し、経営基盤づくりを後押しします。

中小企業診断士とは
中小企業の経営課題に診断・助言を行う専門家です。
国家資格であり「中小企業支援法」に基づき、経済産業大臣が登録します。
賃上げ環境の整備と物価高に負けない経営基盤作りを後押し!
- 価格転嫁のための課題の整理
- コスト構造の見える化
- 原価計算の方法
- 価格交渉の資料づくり
- 価格交渉の進め方


支援事業概要
| 事業名 | 令和8年度 価格転嫁促進支援事業 |
| 支援対象 | 静岡県内の中小企業・小規模事業者(個人事業主含む) |
| 支援内容 | 価格転嫁支援員(中小企業診断士)が事業者を訪問(3回以内)し、 価格転嫁を伴走支援 |
| 費用 | 無料(事業者負担はありません) |
| 支援件数 | 200社(原則、先着順) |
| 受託事業者 | 一般社団法人 静岡県中小企業診断士協会 |
お申し込み手順
お申込み
(一社)静岡県中小企業診断士協会の価格転嫁促進支援ページから、事業者または支援機関(商工会・商工会議所・金融機関等)の担当者が、お申込みください。
支援員の決定
協会の事業担当より、業種・課題・支援希望等をご確認させていただいたうえ、事業者のご希望・ニーズにあった支援員を選定し、派遣します。
支援員の派遣
支援員が事業者を訪問(3回以内)し、課題把握、原価管理、根拠資料の作成などを、幅広く支援します。派遣終了までに、支援員のサポートのもと、「パートナーシップ構築宣言」を宣言していただきます。
取引先との共存共栄などについて、代表者名で宣言し、パートナーシップ構築宣言のポータルサイトに掲載します。社会全体の価格転嫁の機運醸成、取引環境の整備にもつながるものです。
なお、宣言方法・宣言文の作成については、支援員がサポートいたしますので、ご安心ください。
価格転嫁の支援事例(令和7年度価格転嫁促進モデル事業)
(一社)静岡県中小企業診断士協会では、静岡県より「令和7年度 価格転嫁促進モデル事業」を受託し、製造業、運送業、建設業、サービス業、飲食業などの15事業者に支援を実施しました。そのいくつかを紹介します。
【事例1】廃棄物処理業
見積にあたって、「相場+諸経費+最低利益」の型を徹底。取引先に対して、A4一枚の簡易見積で根拠を可視化しました。また、取引別の粗利管理等を支援しました。
【事例2】洗濯業
原価把握が不十分なままで見積をしていたことから、品目別の原価算出と現場別の作業・時間分析を実施。過剰サービス削減と価格転嫁を進めました。
【事例3】プラスチック製品製造業
主要取引先が管理費の割合を固定しているため、収益を圧迫。原価データ・各種公表データ等から実態管理費率を算出し、取引先との価格交渉で、見直しを提案しました。
【事例4】道路貨物運送業
見積チェックシートと業務フロー・単価表を整備し、距離×時間×車両コストで標準原価モデルを導入。待機・荷役時間の記録等を行い、価格根拠を見える化しました
【事例5】パルプ・紙・紙加工品製造業
紙製品部門、加工部門、産業紙販売部門の部門別に、原価構造(変動費・固定費等)を見える化。紙製品の適正価格に基づき、取引先との価格交渉を進めました。
【事例6】その他の事業サービス業(警備業)
人件費の高騰により、収益を圧迫。管理会計(損益分岐点売上高と必要受注数の把握)から着手し、受注平均単価、目標受注数を設定しました。
【事例7】その他の小売業(建築材料小売業)
営業社員が経験と勘により、価格を決定しがちなことが課題。経営者確認による、戦略的な価格決定を徹底し、定期会議で価格状況の社内共有を進めました。
【事例8】輸送用機械器具製造業
一社への依存が高く、価格交渉が進んでいないのが実状。自社の強みを整理しつつ、労務費転嫁しやすい「kg単価」から「秒単価」へ移行をめざし、価格交渉を進めました。
【事例9】飲食店
食材原価表・メニュー別原価率表の整備を進め、月次での原価の見直しを徹底。採算性の低いメニューは、調整・整理のうえ、値上げも検討しました。
【事例10】農業
原価上昇率を示す単価改定資料の作成を支援。定植・収穫・選果・袋詰などの作業時間から適正価格を算出。既存取引先との価格交渉とあわせて、新規販路の開拓も検討しました。
【事例11】食料品製造業
製品別原価に基づいた見積・価格表の作成を支援。付加価値メニュー整理と製品別原価データ整備を進め、購買担当へのデータに基づいた価格交渉を提案しました。
【事例12】金属製品製造業
取引先別に交渉優先度と根拠資料を整理。品目別標準原価表の整備、実績×稼働率で賃率算定、各コストの加算・チェック体制の整備、見積有効期限明確化などを進めました。
【事例13】輸送用機械器具製造業
主要取引先の価格交渉で使用した原価費目集計と顧客別按分の方法を他の取引先にも展開。交渉資料作成を標準化し、日頃から根拠資料を作成できる体制を整えました。
【事例14】輸送用機械器具製造業
取引先別に収益を分析。目標賃率(賃金/時間)を受注の分岐点とし、適正利益確保のため価格反映と根拠提示を即答できる社内体制を整えました。
【事例15】総合工事業
標準価格表とオプション料金を整備。賃金統計や企業物価指数等の公表データ、社内データにより上昇根拠を見える化し、価格改定を書面でも通達できるようにしました。
令和7年度価格転嫁促進モデル事業アンケートから
価格転嫁支援に、8割以上(13件)が「大変満足」と回答
満足の理由として、原価の「見える化」ができた、価格交渉への「きっかけ」になったなどが挙げられています。
とん挫していた原価計算ができた/各メニューの原価が分かり、価格戦略に活かすことができた/原価構造が数値化できた/支援を機に交渉を決意できた/価格交渉の心構えを知ることができた/交渉の優先順位が明確になった など
資料作成支援についても、8割以上(13件)が「大変満足」と回答
満足の理由として、説得力のある根拠資料の作成により、価格交渉に自信が持てたなどが挙げられています。
人件費・原燃料費のデータ収集ができた/資料作成の手法が明確になった/自信を持って取引先に資料を提出できた/価格の根拠を示すことができた/自社のことが改めて分かった など
全15事業者が次のアクション段階に
「価格転嫁ができた」が6件、「価格交渉中」が5件、「価格交渉の予定」が2
件など、全15事業者が何らかのアクション段階に入っています。
価格転嫁できた理由に説得力のある資料を挙げる事業者が多く、現在交渉中の事業者も、交渉の中身は前進していると回答。
お申込みはこちらから
お申込フォームに必要事項を入力のうえ、お申込みください。
お問い合わせ
価格転嫁促進支援事業 事務局 (静岡県中小企業診断士協会内)
| 電話 | 090-8896-5932 |
| 受付時間 | 10:00~17:00(土日祝は除く) |
| メール | kakaku@shindan-shizuoka.jp |
